依然として為替相場の動きはリスク選好の増減に左右されている。Dubai World社のテクニカル的な債務不履行問題が世界経済にとって世界的に否定的な結果はもたらさないという認識は肯定的な影響を高金利通貨に与えドルと円の下落をもたらした。更にアラブ首長国連邦が借款を自国の銀行セクターに提供する用意があることを発表したため、Dubai World社の破産可能性に対する懸念が大幅に薄れたことかが支持をもたらした。ユーロ/ドルは1.50水準に回復、経済指標が更にユーロに支持をもたらした。11月のユーロ圏消費者価格は4月から初めて+0.6%の上昇を見せ、エコノミストの予想+0.4%を超えた。米国の市場は十分に肯定的であった。シカゴISMは景気感インデックスは56.1に上昇、2008年8月からの最高値をつけた。ダラス工業指数での製造業部門の経済活動は活発化しており同工業指数経済活動インデックスは0.3に先月の-3.3から上昇したが、同地域での雇用率は弱いままで、雇用インデックスは10月の-11.9に比して11月の-15.1であった。
英ポンドはユーロよりも軟化、ドバイファンドの問題がより深く関係しており、40%強の債務を英銀行が保有しているためである。更に、11月の英国消費者信用が昨年よりはじめて大幅に下落した。イングランド銀行は、純消費者融資額が10月に5億79百万ポンド下落、エコノミストの予想よりも大幅な悪化であった(3億ポンド)。ドル/円は下落がとまり、日銀の市場介入の可能性が円買いをとめる結果となった。まだ矛盾する情報が流れているが、その話が出てきたこと自体が可能性を物語っている。藤井財務相は円安の可能性を否定せず、白川日銀総裁は中銀が毅然とした態度をとる用意があると発言した。
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